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解釈的学びと経験の構築―Zeitler論文

更新日: 2017/11/20

Recherche et formation
70 | 2012
La construction de l’expérience
 


解釈的学びと経験の構築

Apprentissages interprétatifs et construction de l’expérience
Interpretative learning and construction of experience
Interpretatives Lernen und Erfahrungsbildung
Aprendizajes interpretativos y construcción de la exeperiencia

André Zeitler

2017.4 西之園晴夫訳

Édition électronique

  • URL : http:// rechercheformation.revues.org/1828 DOI : 10.4000/rechercheformation.1828 ISSN :1968-3936
  • Éditeur
  • ENS Éditions

Édition imprimée

Référence électronique

  • André Zeitler, « Apprentissages interprétatifs et construction de l’expérience », Recherche et formation [En ligne], 70 | 2012, mis en ligne le 15 juillet 2014, consulté le 02 octobre 2016.
  • URL : http:// rechercheformation.revues.org/1828 ; DOI : 10.4000/rechercheformation.1828

Ce document est un fac-similé de l'édition imprimée. André ZEITLER
Université de Brest, CREAD (Centre de recherche sur l’éducation, les apprentissages et la didactique,EA 3875)
要約: 行為するときに、実行している行為にたいしてその状況を決定する「解釈習慣」をもつことによって、われわれは環境に1つの方向を与えている。この解釈的活動は翻ってわれわれの習慣を変革する。この習慣を変革するプロセスを、われわれは「解釈的学び」と呼ぶが、「構築している」経験の構築に役立っている。この論文では、新しい解釈習慣が発達するにしたがって経験の構築に役立っていることに焦点をあてた展望を紹介している。

キーワード • apprentissage informel, théorie de l’éducation, éducation des adultes, expérience du travail


1. 経験 : 明解さの常識

経験とその構築を捉えることは研究者にとって難しい対象である。経験が構築されている過程、「状況、推移経過、状態」(Barbier & Galatanu, 2000)、さらにその結果について経験を理解しようとすると一層難しくなる。まず困難なのは意味的対象である。たとえば経験の概念のように、常識としての概念に興味があっても、明解さを目指す科学的特性の枠組みで研究することは、それ自体ではうまくいかない。常識として経験の概念は、活動の反復の概念と混同されている。ある種の活動が重要だとして、与えられた状況で数多くの回数を反復したときに、人は経験を積んだという。例えば、永年にわたって同じ職業の活動を繰り返したとき、その人は経験を積んでいると安易に言う。ある人が有能であるとほのめかすが、その理由は、関心のある専門の仕事の活動を反復することによって、成功裏に実現できる能力を習得していると心底から仮定するからである。経験の構築の量的アプローチでは、何かの経験を積むことと、それを経験しているということとが、相互に同一視されている。経験の過程と結果は、概念の多義性に価値を置いている「行為の意味」(Barbier, 2000) の点で混同されている。それに対してこの意味論は容易に理解でき、「自明である」ことが条件であり、経験の構築は科学的な手順による厳密さでは明解にするのに効果がないことが明らかになっている。

まず何よりも経験の概念の常識的意味では、学習の行動主義の考え方と、活動している時に実現する成長を明らかにすることである。それによると、活動している時間は経験の構築にとって基本的な条件 (それだけはないが) であるだろう。しかしそれだけではまったくない。機械工の指導者についての研究によると、操作者はずっと長期の活動時間をもつ他の者よりも、もっと活動的な人もいるということが (上司と同僚によって) 考えられている例を示すことができる (Zeitler & Bergerioux, 2008)。たとえば、これらの熟練者は、特に複雑なあるいは新しい事故の修復のときに、いつも同僚に呼び出されている。

この行動主義の見方では、活動が安定して機械的に近いかたちになると、効果的な学習を構築したことになると想定している。能力の構築において、活動の反復と時間の重要性を確認することは確かに難しい。しかしながら活動を実現している時点において、このときに実現される学習が職業的ではあるが繰り返し起こる種類の問題を解決できない活動の習慣を強化し、さらに経験を構築することも起こりうることが確認できた (Zeitler, 2003)。このようにしてスポーツ指導の見習者は力量不足と解釈した状況では、もっと別の良い方法が望まれるのであるが、実際には効果のないプロセスを再現しさらに強化することになる。

結局、経験の過程と結果の混同は、経験の構築の明解さを展開しようとするときに障害となっている。それが活動の反復と経験との違いを生んでいる理由であり、経験学習を理解するためには、自己発見的に解を見出す方法にあるとわれわれは考える。すなわち学習のダイナミックは、活動している時に実現しているのであって、単にその結果だけではないのである。

行為の意味論によって生じた問題を避けようと試みるとき、さらに展開するときの経験の構築を明解に理解しようとするときに、お互いに緊密に関連していることを全面的に認めることによって、この構築の過程と結果とを区別する経験の構築のオントロジー (訳注:存在論) を研究することが必要であることが明らかになっている。

最初のアプローチとして、活動について操作者は同じような状況で現在と未来において再度試みる行為の新しい可能性を構築することができると言える。

経験の量的概念とは決別して、質的アプローチからみたこの有能さを「経験」と名付ける。活動計画から経験計画へと変化することは、ここでは「経験学習」の概念として表現される。この論文では著者によって行われる研究成果の総括を提案しており、職業的活動に携わっている行為者の経験学習を理解することを目指している。

2. 意味的秩序の経験

2.1. 環境の解釈に基づく解釈習慣
さまざまな職業的活動についての数多くの研究によると、職業的専門能力をなしているのは、状況を見極めるために環境を解釈する能力と関係していることを示唆していて、特に状況が複雑なときは行動する能力に関係している (Schön, 1983)。そこで生まれる疑問は「行為のために環境をどのように解釈しているか」である。

この疑問にいくつかの筋道をたてて確定的に答えようと考えることは無駄であろう。しかし、この点で紹介されてきた研究の概念で蓄積されている知識のいくつかの要素を思い出すことができる。

最初に、活動の「自律性」を仮定することに同意している研究者はかなりの数にのぼる。活気あるシステムだからこそ、行為者は「自分の独自世界」、自分の環境世界 (Umwelt) を浮かび上がらせている (Von Uexküll, 1957)。行為者にとつて意味のある環境の諸要素は、環境の解釈を可能にしている特殊な感覚に満ちた世界の中で構造化されている (Berthoz, 2003)。この「解釈-構造化」は、行為者にとって適切な、すなわち意味のある環境の要素を発端として、組織された環境で行為者との絶え間ない相互作用の流れのなかで実現している (Varela, 1989)。バーワイズとペリー (Barwise et Perry 1983) の着想に従えば、状況とはすべての外部観察者にとって客観的な環境に与えられた解釈を意味する。

この解釈的活動は、状況を構築することを目指したロッシュ (Rosch 1976) の典型事例の意味論の着想に続いて、マチェ (Mazet 1991) が示したような「典型的表現形式」の再認識に基づいている。例えば自動車の運転手にとって道路の状況を分類することは、道路のタイプのイメージを再認識すること (カーブ、直線、樹木が存在すること) によって現実のものとなる。

この再認識は、行為者の参加と責任1によって、特に (例えば車を追い抜く) 瞬間の意図と過去の経験によって導かれる。

この理解力はある主張によって端的に示されている。その主張によると状況の解釈は典型的な状況の分類のシェマとして理解される解釈習慣に基づいている。解釈習慣は、実行している行為にとっての環境の感覚を行為者に与えることができる。そのために異なる3つの構成要素から成り立っている:状況そのものの有意味な指標と同じ環境の諸要素;与えられた活動者の視点からの指標でこの構成に習慣的にとられる形態 (解釈傾向のあるタイプの形態);そして行為者にとってすべての意味 (重複する解釈) での指標の構造、それらは行為者にとっての環境の感覚を決定するものであり、すなわち行為者にとってのコースの状況である (Zeitler, 2011)。ここで状況が確定している例を挙げよう。

看護師のアデールは患者の苦痛を和らげることを使命としている。彼女は手術をして苦しんでいる少女の世話をしている。この状況を確かめるために環境 (苦しんでいる少女、手術が間近に迫っていること、同僚との人間関係) の指標と解釈 (よく見かけられる外科手術が間近に迫っていることに伴う苦痛) のタイプの形態とも関連しているが、その状況 (その少女が手術に続いて苦しんでいる) でよくみられる解釈に係わっている。環境についてのすべての解釈は、本質的にこの推理に基づいている。このことは帰納的 (解釈が指標から始まっているとき) であり、演繹的 (解釈のタイプの形態から始まっているとき) であり、発想的 (解釈の仮説に始まっているとき) である。

2.2. 環境を解釈する能力の変容
この解釈習慣は活動するうちに変容する。例えパストレ (Pastré 1999) は、初心者の職業の困難さは、管理しなければならない状況を理解することよりも、実現しなければならない手順の理解に注意を向けることが少ないと述べている。熟練した専門家はそのことに関しての環境を容易に解釈することができる。経験の構築の本質的な特性の一つとして、行為の環境を解釈する能力、すなわち解釈習慣 (HI) を発展させることである。解釈習慣の構築と変容に不可欠な経験的学習の部分を「解釈的学び」と呼ぼう (Zeitler, 2011)。ここでつぎのような質問に対していくつかの回答を試みてみよう。:

  • 解釈習慣はどのように構築され変容するのか?
  • 解釈的学びの過程が突然起こるのに条件があるのか?

(1) engagementは実存哲学では単に知識をもつことに意味があるのではなく、それに参加し 責任を持つことが重視された。哲学者サルトルの影響があるがここでは「参加と責任」 とした。

3. 研究の方法論と領域

解釈的学びの研究によると、さまざまな研究領域をもたらしている。初心者向けの指導者によるスポーツ教育 (Zeitler, 2011), 職業高校 (リセ) の教育 (Guérin et al., 2011),看護師の仕事、医師の仕事と成人の修養 (Zeitler, 2013a, 2013b)。データの集積は、自動車衝突 (Theureau, 2002) を明解にすること (Vermersch, 1994) のインタビューから始まった。データ処理は経験の経過での方法論と関係する理論的枠組みに基づいて行われた (Theureau, 2004, 2006)。この枠組みの基本的仮説の一つは、行為者は行為とその経過、そして経過している行為についても学習しているということである。言い換えると学習した結果は行為の経過でも利用されている可能性があるということである。この学習は、環境と繋がりをもって活動している過程で、行為の有効性あるいは無効性によって、行為者が経験している指示対象の変容として記述できる (Sève et al. 2002)。この枠組みから始めて、職業の環境に行為者が取り組むときあるいは研修するときに、解釈的学びが実現するときの過程を識別することを試みてきた。解釈的学びの過程を分析する一般的な方略は、環境あるいは局面は進展していないが、しかし解釈すなわち状況が変化しているときに状況の解釈が進展していることに気づくことから始まる。つぎの時には、この進展に関わっている活動の要素に気づくように試みた。

4. 経験の構築における解釈的学びの重要性

4.1. 習慣的行為と状況の解釈の変容とは関連している
われわれの最初の観察によると、あるタイプの状況についての習慣的解釈の変容は、このタイプの状況での習慣的行為の変容に関連していることが示されている。例えば、外見したところアルコール血症の単純な問題をもつ患者を迎えたシャルロットは、その診断検査を進めていくと、初診で予期したよりも不明確であったことを認めた。疑念を懐きながらも、補足の検査を受けさせるためにその患者を病院に送った。緊急検査の予防策も効なく、その夜に深刻な呼吸不全を患って死亡したことが明らかになった (Zeitler, 2013a)。この事件以後、シャルロットは以前よりも、とくに呼吸不全の起こりうる徴候を探しながら、明らかにアルコール血症が起こるケースについて病理検査に一層の注意を払うようになった。しかしさらに進んで、血液の酸素処理に優れた性能をもつ測定装置を整備して、このようなタイプのケースの場合にテストを組織的に行うようになっている。このようにして新しい解釈習慣が新しい行為と新しい専門性をもたらした。

しかし、逆もまた真である。行為の新しい可能性は、新しい解釈習慣を構築する可能性をもたらす。たとえばスポーツ初心者の指導の場合、あるタイプの状況で有効であると認められる解釈の過程が妥当であるならば、同じような状況での新しい解釈に道を開き新しい解釈習慣をそこから構築する。かくして、セーリングの指導見習員であるアレンは、指導者の介入が数少ないほどレッスンに効果があることに気づいた (Zeitler, 2011)。このような確認は、介入が数多ければ多いほど学習が著しいというそれまでの解釈習慣と矛盾するものである。この経験から実践者が実際の活動に一層集中するような新しい解釈習慣が生まれてくる。この習慣が生徒の学習の本質的な指標になっている。このようにして新しい行為の可能性は、衝撃的ではあるが、解釈習慣の変容をもたらした。

4.2. 解釈的学びの操作的で機能的な次元
解釈習慣は習慣的行為に結び付いてほとんど瞬間的に現れており、解釈は行為者がコントロールしている習慣的行為に組織化されているようである。われわれが解釈習慣の操作的次元と呼ぶものである。この視点から操作的方法は、論理や状況の解釈や、解釈的学びに適用されている結論として現れるものではなく、確固とした構成要素となっている。例えば、アレンの場合には、学習者に明確な活動の枠と自由を与えているという事実から、学習者が学習過程として試行錯誤の活動を解釈し理解できるようにしている。経験を構築する段階において、関連する解釈習慣の変容が起こるとしたときにのみ、すべてのことが行為習慣の変容を可能にしている。しかしまた逆に新しい解釈習慣が現れた時に新しい行為の手段に関連づけられないと、この新しい解釈習慣は「欲求不満」になるようであり、行為者の「前反省的意識」の領野から消滅していく (Zeitler, 2011)。このことは行為者が参加し責任を負う (その志向性、気遣う) ことで方向づけられる事実によって説明できる。これこそわれわれが解釈習慣の機能次元と呼んでいるものである。

行為者は、自分で決められるような状況に直面するための手段を持ち合わせていないと考えるとき、彼の参加と責任は行為者が行動するにしたがって感じるような状況 (発想的推論) の解釈についての確証を与える指標について、解釈を焦点化していくように変化する。したがって操作的で機能的な側面は、状況の解釈に結び付いている。修業するときには行為の具体的な方法を学習者に提供する意義を示している。なぜならこの方法は逆に状況についての新しい解釈を引き出してくれて、行為の方法が実用化できるために解釈習慣を進展させることが必要になる。

経験の構築は、操作方法の変容であるように思われ、その操作方法の実現を可能にし、行為者にとって変容をもたらす解釈習慣の発達を確かなものにしている。したがって解釈習慣の発達は行為の可能性と同じように経験の構築にとって真に本質的なものである。

解釈的学びの発達にとって有利な時期は存在するのか?

4.3. 解釈的学びに有利な時期についての探求
環境を解釈する頻度は、行為者にとって状況が不明確なときには、ほぼ2倍の多さである。行為者にとって問題点が重要であるならば、活動できる状況を十分に確定しようと、つぎの探求の段階に進むことになる (Dewey, 1993)。この探求は解釈習慣の発達にとって特に有用な瞬間である。しかし、探求する瞬間を単に不意に用意して状況にためらわせることは、その発達にとって十分でなくなる。

われわれが見てきたように、解釈的学びは、行為者にとって (解釈の機能と操作の側面で) 有効であることが明らかになる条件のときにのみ発達する。

しかし、状況を理解するという意味は、活動者にとって成果がもたらされることが必要である。結局、状況を理解することは、新しい解釈が無視されることなく、活動者が探求活動に関わるために十分に重要な問題点を示している。

4.4. 解釈的学びでの感情の本質的な役割
解釈習慣の発達の過程には、関連している特徴的な感情がある:不安と驚きである。学習者が期待していた状況の多様な指標に気づいているとき、落胆さらに一層の不安をつよく感じる。この知覚は内在的なものであるだろうし、前反省的である意識にものぼらないものである。たとえば夜間の看護師のアデールは、とくに健康の悪い症状がみられない患者の病室から帰ってきたが、定期回診では単に「何かしっくりしない」という印象が残っていた。彼女が病室に入った時、患者は梗塞に耐えていた。この徴候の気づきは直感と記述されることが多いが、アデールはこのケースの場合に「そんなことは感じていなかった」と言っているが、何か意味ありげに話している。この気づきは内在的で探求する過程に不安を生じさせる。しかし、実行している行為にとって意味があるとすれば、それはひとえに学習と経験の構築にとって意味のある驚きの感情である。このことは状況の突発事と行為者が予期するものとに基づく経験のさまざまな要素群の間にある違いから起こっている。したがって驚きは過去の経験の内在的な原因を軽減して、解釈的学びの過程を活性化することになる。上述したケースで、アデールは手術後の苦痛のために少女を世話したとき、看護師は苦痛が本質的に少女の母親がいないときに起こり、モルヒネの服用量を増量しても効果がなかったことに気づいた。このような状況で彼女が感じた驚きは、新しい解釈習慣を構築する過程へと駆り立てて、かつての原因を減退させた (Zeitler, 2013b)。このようにして指標の意味づけの質的違いが存在し、解釈によって感じた感情の特異性によって組織化される。

4.5. 解釈的学びの社会的条件
結局、解釈的学びの異なる進行過程は「修養の社会的形態」に応じてまったく異なる様相で発展しており (Zeitler, 2007)、そこでは行為が繰り広げられている。

この形態は、学習者と指導者との間で交わされる意味と行為とによって構造化されており、相互作用に関わっている数多くの要素で構成されている。しかし、全般的に指導者が同席していると行為の評価の方向を決めるのでこの構成は解釈的学びを阻害するが、学習を支援する方向では望ましい。このことは学習のための活動グループの構成の重要性を示していて (Guérin, 2012)、修業の方向付けにそれを採用するためには理解する必要がある。

5. 解釈的学びの過程の記述

さまざまな職業活動において働いている人々の活動について集められたデータによると、発達のプロセスに2つの大きなタイプを探り当てることができた:解釈習慣 (HI, Habitudes d’Interpretation) の構築と変容 (再構築) である。

最初のものは、状況の新しい解釈の基礎に基づいての新しいHIの構築の原因になっている。第二のものはすでに構築されたHIを変容する。これら2つのタイプの過程は常に相互に作用し合っている。構築している新しい習慣は、従来のものを混乱させる状況あるいは/及び実行するのに相応しい解釈について活動者を戸惑わせる。行為者はこの戸惑いを解釈的ジレンマとして経験している。2つの解釈習慣の間で競合する。時間が経過すると、新しい習慣は妥当性の低い領域の旧来のものに取って代わるということが起こるが、そのことのために消滅することはない。旧来の習慣は本質的に差異の現象を受け入れるが、その差異とは一般化の現象で通常の解釈習慣の変容の2つの大きなプロセスをなしている。

このようにして、解釈習慣の構築と変容の9つの過程は次のように分類できる。5つは新しいHIの構築のプロセスに関するものであり、4つはHIの再構築のプロセスである。

表1: 解釈的学びの過程での全般的な表示
新しいHIの構築 旧来のHIの再構築
新しいHIの出現 新しいHIの創造 通常のHIの一般化と差異化
差異化 一般化
予期する新しい様々な指標が生まれてくる状況的形態の気づき 仮説的HIの創造 HIの可動性の新しい文脈化:HIの習慣の一連の指標の増加で、疑わしいときにHIの有効性の確認
予期する新しい様々な指標が生まれる状況的形態の気づき。問題のある形態の確認 状況の新しい解釈:典型的なHIでの解釈の同定 HI間での実際的な新しい関係づくり:解釈的ジレンマ
  重複する解釈に基づいた言葉にできる意味論的HIの創造 状況のタイプによる深遠な特性の新しい意味付けの特性:増加
一連のHIのなかでのHIの意味論的関係づけ

5.1. 新しい解釈習慣の構築の過程
新しいHIの構築の2つの最初のプロセスは、いまなお非常に内在的で、状況をほとんど決めることのない形でHIが生まれてくるときの順序となっている。それは特徴的な感情に関連している環境の、ある種の要素に対する感受性を本質的に構成している。活動者がこの要素に気づくとき、ポジティブな感情 (たとえば満足)、あるいは逆にネガティブな感情 (例えば不安) を強く感じる。これらの要素の気づきは、行為者に関係している身体の記録担当者に助けられて、行為者にとって有意義な気づきになる (Damasio, 1995)。この新しいHIが生まれるプロセスは、行為者にとって2つの理由で、問題となる状況での要素の単純な気づきの順序でもある。逆に行為者はこの要素を解釈できるのに有効なHIをもっていない。行為者はこれらの要素についての効果的な解釈を見出すことを目指して一時的な探求を始める。しかしここで、コースでの状況が行為者の解釈の能力を超えていると、行為者に問題を投げかける指標の構成の気づきにたいして、鋭い感受性に助けられて解釈的学びが具体化される。

新しいHIの構築の3つのほかのプロセスは、新しいHIの創造と呼ばれてきた。多種多様な一連の予期に基づいて、行為者は意外な指標の構成の新しい解釈を創り出すことができ、それが新しい状況での気づきに取って代わる。そのことから、行為者は新しいHIを創り出すことができ、同じタイプの参加と責任で同じようなやり方で同じ一連の指標を解釈するようになる。この新しいHIは、最初の時には状況の重複した解釈がHIの状況のカテゴリーの唯一の事例であるような意味において、新しく生まれ、本質的に典型的な事例である解釈に非常に近い。この解釈的学びの2番目のプロセスはHIの典型事例で重複している解釈の確認と呼ばれてきている。しかし、行為者は、このHIの典型事例を創造する出発において、HIの有効性と信頼度について疑ってみることができる。このプロセスは仮説的HIの創造と呼ばれてきた。結局、行為者は自分の新しいHIを表明することができる。それは解釈のルールの様式をとる。この表明はそれ自体が解釈のプロセスである。結果的に言語表現の計画を介することによってHIは客観的になり、一方、ただ単に行為だけでなく考えるという経験によって、このHIの変容は行動する記号的操作ができるようになる。

5.2. 従来 の (日常的な) HI再構築のプロセス
再構築の4つのプロセスは重複している。解釈習慣は一般化と差異化によって構成されている。一般化のプロセスは解釈の力量をさらに一般化できるようにしながら、すなわちもっと大きな解釈にほかの解釈を統合して、解釈習慣をますます増して複雑さを統合化した構造にしていく。しかし、それと同時に、差異化のプロセスはHIを状況のさらに重要な弁別へと導く。

われわれのデータでは、この2つのプロセスは密に関連していて、一般化と差異化のプロセスがHIの発達の同じプロセスでの2つの側面として立ち現れる (Zeitler, 2013b)。この再構築の2つの大きなプロセスはそれ自体をそれぞれ4つのタイプに分解することができる。HIの再構築のプロセスの第1のタイプはHIの文脈化によって呼び起こされるものである。このプロセスは複雑化をもたらし、それが駆り出された状況の特殊性を考慮することによって、日常的なHIの有効性の減退あるいは増加をもたらす。このことは日常のHIの新しい状況に統合をもたらしている。この最後のことは一般化を受け入れる。反対の場合には差異化を受け入れる。

プロセスの第2のタイプは、解釈のジレンマによってHI間で実際に関係する一般化あるいは差異化に道を拓くものである。このジレンマは、状況を解釈するために重複しているHIの可動性から生まれてくる。ジレンマは以前に解釈された状況と類似、あるいは反対にコントラストをなっている関係と対照をなしている。コントラストを探知することはHIの差異化に道を拓いているが、一方の類似性はその一般化に道を拓いている。プロセスの第3のタイプは、状況のタイプの本質に迫る特性の新しい特徴の現れ方のタイプである。これは状況に突如として招来した理由を理論構成するものとして現れる。深化するプロセスの一般的特徴は、状況が行為者にとって意外なことであることにある。このような驚きに直面して、行為者はこの驚くべき状況の不意の到来の理由を理解しようと試みているかのようにすべてが過ぎていく。状況の新しい解釈は、状況が不意に到来したときに、行為者による理由の確認を介して生まれてくる。そこから差異化と一般化が生まれてくる。差異化は状況の奥深い特性とHIの解釈の形態の予期した深い特性との間の差異に気づいたときに生まれる。一般化は状況の深い特性と、HIの解釈の形態の予期した深い特性との間で類似に気づいたときに生まれる。

第4のタイプの再構成のプロセスは、一連のHIのなかでのHIの記号的関係である。解釈が行為者の守備範囲の外にあるときに、そしてそれが一連の指標の満足すべき解釈を目指して探求しようとしているときに、この一連のものに近いけれども異なっているさまざまな解釈をすることができる。この解釈は、同時に、状況のさらに一般的でより正確な解釈に通じていることが多い。このプロセスはこれまでに記述されたことに統合するが、重複する状況についての素早い感覚を目覚めさせる。状況のさまざまな解釈に関係づけるとき、行為者はしばしば多様な解釈との関係づけに潜む一連のHIを言語化するようになる。この過程で新しいHIは、解釈的学びのほかのプロセスを記号化する言葉のメディア化によって生まれてくる (そのことについてはさらに上で述べたところだ)。行為者が複数のHIの間で関係づける他のHIを引き合いに出すことによって追究することができる。この関係づけるということは、記号によるカテゴリー、特に言語活動で出会った状況に影響をうけるが、しかしHIそれ自体が介入してくるとき解釈ルールの形のもとで表現される。例えば、ある養成所所長は解釈のルールを作成して関心をもたせたが、それによると学生が失敗するのは自分が実際に執着を感じていない専門的プロジェクトの場合に起こることが多い。このHIは、部分的で身近な状況のタイプの状況であるが、多くの場合違った状況においての固有の解釈のルールを関係づけることに基づいた外在的な省察に端を発して築かれている (Zeitler, 2013 b)。

このHIの関連付けは、HIを差異化し一般化では他の方からそれに近づく対話の推移過程で進む。たとえば、アデールが苦痛は必ずしも手術室からでるときの生理的外傷によるのではないと確認したとき、それによる苦痛はこのタイプの状況で手術に関連しているHIが差異化しているのである:彼女はいつもの事例ではないことを確認している。しかし、それと同時に状況がどのようなものであれ、苦痛の原因のエビデンスへの疑問を一般化して考えている。一般化と差異化とはお互いに相反していても共に必要な2つの推移経過のようにみえる。それはHIの発展の同じプロセスの両面であるかのように、解釈的学びのダイナミックさを構成している。

6. 教育のための展望

解釈的学びの理論は教育にとって有用であると考える。最初の有用性は、状況を行為に対する客観的データのように考えることのできない教育者を鼓舞する可能性があることは明白である。それは成長することを支援するのに適している各行為者に対する個人的な構築である。たとえば、指導者と学習者とは客観的に同じように行為する環境にいても、同じ状況を見ていないことが起こりうる。状況の解釈を深化させることなく解決を見落とすことは、学習者にとって統一のとれていないものとして、もっとも頻繁に経験されている。学習者が新しい状況で行動するために環境を自分のものにするような解釈を深化させることは、専門職の修養のために本質的な焦点であるが、おそらくは学校教育においても同じであろう。対照的な問題点として、指導者にとって各自の固有性を考慮にいれることから始めて、学習を容易にするためにどれが学習者の「目で観ている」状況であるかを理解することである。分野でともに進んでいる者は、学習者の活動の形態には意図と経験の構築の推移過程の確固たる自律性があると言い訳にして、この後者を放棄することとの間で揺れ動くジレンマにしばしば陥っている。このジレンマから逃れるために解釈的学びの推移過程での突然の出現を考慮にいれた支援によって、他者にとっての経験の構築の支援のなかに有望な道があることがわれわれには見えてくる。活動モデルのコピーを押し付ける代わりに、解釈的学びの促進を組織的に編成することは、経験学習の基盤を強固にするものであり、比較的自律的な行為の発達にとって解放者である可能性がある。

André ZEITLER
andre.zeitler@univ-brest.fr

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Abstracts • Zusammenfassungen • Resúmenes


Interpretative learning and construction of experience
ABSTRACT • In action, we make sense of our environment thanks to interpretative habits that accordingly determine the situation in which we are actors. From this interpretative habit, we can keep traces that transform our interpretative habits. These processes towards the transformation of these habits, which we call interpretative learning, are part of the ongoing construction of experience. This article will present research findings based on the study of different professional activities over these interpretative learning processes.
KEYWORDS • informal learning, educational theory, adult education, work experience

Interpretatives Lernen und Erfahrungsbildung
ZUSAMMENFASSUNG • In der Handlung geben wir unserem Umfeld einen Sinn dank Interpretationsgewohnheiten, die somit die Situation bestimmen, in der wir handeln. Von dieser interpretativen Aktivität können wir Spuren behalten, die unsere Interpretationsgewohnheiten verändern. Dieser Prozess der Veränderung der Gewohnheiten, den wir interpretatives Lernen nennen, trägt somit zur Bildung der „gerade erlebten“ Erfahrung. Dieser Artikel stellt Forschungsergebnisse vor, die von der Beobachtung verschiedener beruflicher Aktivitäten auf Grund jener Prozesse des interpretativen Lernens gebildet werden.
SCHLAGWÖRTER • informelles Lernen, Bildungstheorie, Erwachsenenbildung, Arbeitserfahrung

Aprendizajes interpretativos y construcción de la exeperiencia
RESUMEN • En la acción, damos un sentido a nuestro entorno gracias a costumbres de interpretación que determinan así la situación en la cual actuamos. Podemos conservar huellas de esta actividad interpretativa, que transforman nuestras costumbres de interpretación. Estos procesos de transformación de estas costumbres a los cuales llamamos aprendizajes interpretativos participan así en la experiencia
« que se está construyendo ». Este artículo presentará los resultados de investigaciones construidos por el estudio de diferentes actividades profesionales sobre estos procesos de aprendizajes interpretativos.
PALABRAS CLAVES • aprendizaje informal, teoría de la educación, educación de personas adultas, experiencia de trabaj

https://www.youtube.com/watch?v=bsZIOzvsoGY