働くことを学ぶ - 修業学習と職業陶冶

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働くことを学ぶ - 修業学習と職業陶冶

21世紀になって、無償の高等教育をどのように実現するかは国際的な課題です。1966年の国連決議で高等教育の無償化を目指す条項が含まれていましたが、わが国はこの条項に拘束されない権利を留保するとしていました。その留保条件を2012年に撤回し、わが国も無償の高等教育をどのように実現するかが課題になっています。ヨーロッパ諸国ではさまざまな試みがなされてきましたが、必ずしも成功への道を歩んでいるのではありません。

教育統計では大学生 (étudient) と修業生 (apprenti) とは区別されています。修業生は雇用主と直接に修業学習契約を結びますから労働者待遇になっていますが、高等教育レベルの資格が授与されるので職業学士 (licence professionnelle) と同等ですし、昼間大学生も職業資格を取得しようとすると職場・教室交替制での職場体験が要求されるので、大学生と修業生とは全く同じ身分と資格です。大学は3年制 (教養課程に相当するものはリセでの最終級で履修) ですが、最近の教育統計ではBac+3やBac+5のように表記されてバッカロレア取得後の年数で表示されるようになっています。また、高等教育の資格としてはdiplômeが統一して用いられていますが、これは免状を授与する (diplômer) や免状取得者 (diplômé) として用いられているので、複雑な資格制度もしだいに統一される方向にあるといえるでしょう。

わが国も若い人々が中心となって無償の高等教育が実現することを祈っています。

(修業 学習の開発に関心のある方のご連絡をお待ちしております)

翻訳責任者:西之園晴夫 (NPO学習開発研究所)
サイト開発責任者:仲奈々子 (MSギア社)

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